福井市文化会館再整備についての要望書

2018年3月16日

現在、福井市では、福井市文化会館の再整備に向けて基本計画の策定が進められています。
福井芸術・文化フォーラムは、これまで福井市文化会館を拠点に事業を企画運営してきた経験に基づき、市民がより利用しやすい会館となるようにとの観点から、福井市に対し下記の要望書を提出しました。

(参考)
福井市文化会館整備基本計画(素案)(pdf 1.14MB)
福井市文化会館整備基本計画(素案)の概要(pdf 448KB)

福井市文化会館整備基本構想(pdf 1.74MB)
福井市文化会館整備基本構想(概要版)(pdf 478KB)


2018(平成30)年3月5日

福井市長 様

特定非営利活動法人福井芸術・文化フォーラム
理事長 齊藤 厚一

日頃から、目指すべき将来都市像「みんなが輝く 全国に誇れる ふくい」の実現に向け、市民の活力を活かしたまちづくりを進められている福井市政に、心より敬意を表します。

さて、特定非営利活動法人福井芸術・文化フォーラムは、現在の福井市文化会館竣工とともに設立された福井市文芸協会を発展的に継承し、1999(平成11)年に市民参画型の文化事業組織として発足しました。以来、「文化は人をつくり、まちをつくるコミュニケーションの礎である」との基本理念に立ち、地域社会に豊かな文化環境を構築するために、多彩な文化事業への主体的な市民参画を図る事業を行い、市行政と連携して地域文化の創造と発展に向けて、微力ではありますが今日まで努力してまいりました。

当フォーラムが今日まで積極的に取り組んできた「舞台芸術鑑賞事業」、「市民の芸術文化企画を支援する事業」、「企画・運営・舞台技術などの担い手の育成」、「文化交流の促進」、「広報活動や情報の提供」などの事業を通して、多くの方々に文化芸術の感動を届け、文化芸術の担い手や人材の育成、新たな舞台芸術作品の創造・発信を進めてまいりました。

このたび、福井市文化会館の再整備に向けた基本計画の策定にあたり、当フォーラムはこれまで福井市文化会館を拠点に事業を企画運営してきた経験に基づき、市民がより利用しやすい会館となるようにとの観点から、特に下記の点について要望・提案いたします。

趣意を十分にご賢察いただきまして、よろしくお取り計らいくださいますようお願い申しあげます。

1 大ホール・小ホールとも客席数を再検討願います。
多くの市民文化団体が利用しやすいよう、大ホール・小ホールの客席数を再検討願います。大多数の市民文化団体にとって、2,000席・600席は大きすぎる数字です。文化団体アンケート(福井市文化会館整備基本構想資料編)を見ても、発表・公演・展示などの入場者数は300人規模のものが約半数を占めています。
また、大きければ大きいほど維持費がかさみます。将来の人口減少や今後の財政状況も考慮した客席数の設定をお願いします。


2 市民文化団体が気軽に利用できる料金設定をお願いします。

市民文化団体が活動・発表の場としてもっとも重視するのは、利用料金が手頃であることです(前出の文化団体アンケート参照)。現在の文化会館の使用料は市民団体が使用するには高額過ぎます。日常的な創作活動の場として、また、その成果を披露する場として、市民文化団体が気軽に利用できる料金設定をお願いします。次世代育成のため、特に財力がない若者に考慮した料金設定を望みます。


3 駐車スペースを十分確保してください。

同様に、駐車場が十分あることも、団体の活動・発表の場として重要です。基本計画では駐車場についての計画が曖昧です。なお、大小ホール計2,600席分の駐車場を用意するためには相当大きな駐車スペースが必要になってきます。大小ホールで催事が同時に開催されると、駐車場の不足と周辺の交通の混乱は必至です。駐車スペースの観点からも客席数の再検討を求めます。


4 専門的人材の雇用と十分な予算措置をお願いします。

基本理念の実現、施設の事業・運営・活用には、経験と知見を持った専門的な人材を十分に雇用することが不可欠です。また、事業予算がなければ、市民に継続的に事業を提供していくことはできません。長期的な視野に立ち、十分な予算の計上を望みます。


5 あらゆる市民の交流の場に。

年齢・性別・国籍・障害の有無などにかかわらず、多様な市民の方々が利用しやすい施設設計をお願いします。

以上