市民の皆さま、ならびに全国の舞台関係者の皆さまへ

コロナ禍によって突然私たち舞台芸術に関わる者の仕事と日常が奪われ、世界全体が非日常の芝居の世界のようになってしまいました。我々の仕事は「人々が集い、密接し、大声を出し、汗をかき、喜び合うこと」が日常です。このウイルスに対して最もリスクが伴う仕事のひとつであることは間違いありません。

しかし我々は今、一市民として医療や生活を支える業務を担う方々に感謝しつつも、劇団や楽団など舞台芸術団体の解散・廃業などの経営難を耳にし、このままでは舞台芸術に対する市民の願いに応えられなくなるのではないか、市民が舞台への意欲を失ってしまうのではないかという、得も言われぬ不安でいっぱいです。
解散や廃業とまでは行かなくても、実際の舞台が務められない期間があまりに長引きますと、収入はもちろん、舞台を作りあげる機会が無くなることで、新人が現場で育つ機会が失われ、舞台芸術にとっては大きな損失となります。

市民の皆さまにおかれましては、どうか我々の苦境をご理解いただくとともに、苦境に喘ぐ舞台芸術団体を財政面で支えていただければ幸いに存じます。様々な団体がネット上での募金活動等に取り組んでいます。どうぞよろしくお願いいたします。

また全国の舞台芸術関係者の皆さまにおかれましては、今の状況をともに堪え忍んで、来たるべきコロナ収束のあかつきには舞台芸術の花を咲かせることを祈念申し上げます。ともにがんばりましょう!

2020年5月20日
NPO法人福井芸術・文化フォーラム