forum lab.6
あーと×ふくし
トークカフェ
ハナスバ

2015年10月23日(金)
19:00~20:30(受付開始18:30)
福井 北ノ庄クラシックス(福井市中央1-21-36 柴田神社小路)

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司会の椎名保友さん
いよいよトークスタート

イベント当日は開場するなり多くの参加者の方が集まり、用意していた映像資料やチラシなどに目を通しながらトークが始まるのをお待ちいただきました。開始時間になり、司会者の椎名保友さんの声かけでトークイベントがスタート。まず初めに主催である当フォーラム事務局より開催に至った経緯などの説明や登壇者の紹介を行い、これから始まるトークイベントに向けて会場の意識を徐々にまとめていきます。その後、登壇者自身が県内県外で携わっている障がいのある方の表現活動について事例紹介することからトークはスタートしました。

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アサダワタルさん。テーブル上にはハナスバのマスコットが。

アサダワタルさん――ボーダレスアートミュージアムNO-MAと近江八幡での取り組みについて

まずはアサダワタルさんより、近江八幡市にあるNO-MAについて解説。「滋賀県では社会福祉法人GLOWによって運営されている美術館があります。ここは、現代アートの作家とアールブリュットを同時に展示している美術館です。地域ぐるみでのアートへの興味・関心があり、美術館近隣の商店ではアールブリュット作家の作品がショーウインドウに飾られていたり、生活の中に溶け込みながら作品が存在しています」。

(左から)椎名さん、東野さん、濱見、酒井さん、アサダさん
(左から)椎名さん、東野さん、濱見、酒井さん、アサダさん

酒井晴美さん――みんなで舞台に立とう!

次に酒井晴美さんより「みんなで舞台に立とう!」(通称「みなぶた」)についてご紹介いただきました。「みなぶた」は福井県内の特別支援学校に通う子どもたちの舞台発表公演で、子どもたちの保護者や教員らが中心となって運営されています。2004年度より福井市文化会館にて毎年公演を行い今年で11年目を迎え、参加者も成人したり大きくなってきているとのこと。酒井さん「まずは本物の舞台の上でスポットライトを浴びるという経験をさせたかった。というか私が立ちたいと思っていた」。毎年参加する子どもたちは秋になると、みなぶたの練習はいつ?と気持ちがはやるのだといいます。当フォーラムも公演のお手伝いをしています。

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つむぐアート展
(2015年4月、鯖江市ギャラリー新/当フォーラム撮影)

東野佳奈さん――TSUMUGU ART PROJECT(つむぐあーとぷろじぇくと)

つづいて東野佳奈さんよりTSUMUGU ART PROJECTの活動紹介。同プロジェクトは2014年秋頃より始動、福井で福祉とアートの可能性をひろげるプロジェクトとして活動されています。2015年4月には支援学校や福祉施設から絵画や造形作品を集めたアート展「つむぐアート展」を鯖江で開催しました。東野さん「全国各地で福祉とアートというテーマで動きがあるなかで、福井ではまだそういう動きがあることがあまり知られていないと感じ、福井でもできるはずだという可能性を信じて動いています。つむぐという名前は、糸を紡ぐように、いろんなものごとから少しずつより出してひとつのものにしていくという意味をこめてこの名前をつけました」。

東野さんのように、個人的に気になっている、何かしたいと思っている人が福井の中でもいるのでは?・・一人でできる事は小さいことかもしれないが、それぞれの「点」がつながることで「線」を生み、やがてひとつの大きな「面」になることもできるのかもしれない。想いを持った人が、このハナスバに参加し、何か始まりのきっかけになってもらえると良いなと考えていました。

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「ムラタクンとツムググミ」
(2015年10月、福井市新栄商店街)
写真/G3 photograph.

濱見彰映――ムラタクン

当フォーラムからはムラタクンのことを紹介しました。2013年の「みなぶた」舞台発表の際に紙ロボット作家の「ムラタクン」と出逢い、彼の作品展示をプロデュースすることになりました。2014年秋に福井駅前で開催されたアートイベント「フクイ夢アート」において、空き店舗でムラタクンの作品展を開催しました。また、2015年には同イベントの実行委員からの要請もあり、2回目の作品展の開催も実現しました(「ムラタクンとツムググミ」)。

2014年・2015年の2年間、福井駅前の商店街で作品展示を行ったことで、彼自身にも商店街にもさまざまな変化や、2年やってみて感じたことがありました。当初ムラタクンは、展示をしている場所と、トイレ、お昼御飯のマックくらいしか移動していなかったのですが、2年目には近隣のお店の人に自ら話しかけたり、店に足を運んだりする姿を見かけることが多くなりました。それはお店の方からもムラタクン本人に直接「今年もよろしく」と気さくに声をかけていただくことが増えたことも大きな要因だと考えられます。空き店舗が目立つ商店街の中での開催は、その場自体を一時的にも「生かす」ことに繋がっていたと感じています。普段足を止める事のない人や、ただ人と話したいだけの人、いろんなひとが展示には訪れていました。普段出会えないものと出会うことが、アートを通じて可能になったと感じました。


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